ToTAL科目「リーダーシップ・グループワーク基礎」対象のワークショップ「リーダーシップコアプログラム(第3回)」を2025年6月14日に行いました。
ファシリテーター | 嘉村賢州(特定非営利活動法人 場とつながりラボ home’s vi 代表理事) 松崎由理(東京科学大学 リーダーシップ教育院 特任准教授) |
開催日時 | 2025年6月14日(土) 10:00–15:00 |
開催場所 | 大岡山キャンパス 南4号館202号室 |
内容紹介:ブレインストーミングと強制発想(午前)
アクティビティ1:似顔絵ワークショップ
■概要:他者の評価を気にせず、自分の感性を信じて「まず描いてみる」姿勢を育てるワーク
■内容:同じグループのメンバーの顔を見ながら、感じたままに似顔絵を描きました。子供のころには抵抗なく描けていたはずの行為が、大人になると「相手にどう思われるか」という気持ちから筆が止まりがちになることに気づかされました。描写の完成度ではなく「描いてみる」こと自体を通じて、創造の第一歩を体感しました。他者の評価を気にせずに自分の感性を解放することの難しさと重要性を実感しました。

アクティビティ2:円を用いたアイデア発想ワーク
■概要:質を気にせず、まず量を出すことの重要性を学ぶワーク
■内容:紙に多数描かれた円を使い、時間内にいかに多くのアイデアを出すかに挑戦しました。完成度を求めるのではなく、手を動かしながら次々と発想を形にすることで、質よりも量を重視するブレインストーミングの本質を体感することができました。

アクティビティ3:最高/最悪の修学旅行プランづくり
■概要:ブレインストーミングの実践と強制発想を体験するワーク
■内容:「最高の修学旅行/最悪の修学旅行」という対照的なテーマを用いて、グループごとにアイデアを出し合う強制発想ワークに取り組みました。「最悪の修学旅行」では、参加者の多くがスムーズにアイデアを出していましたが、「最高の修学旅行」になると、途端に手が止まる様子が見られました。これは、自分が普段「良いもの」「正解」を出そうとする時に質を重視するあまり考えすぎてしまうためであり、ブレインストーミングの難しさを再認識しました。その後、他グループの案を交換し、お互いのアイデアをブラッシュアップする工程では、自分たちでは思いつかなかったユニークな発想が次々と生まれ、他者のアイデアを肯定的に受け入れ、それを発展させることの力強さを体験しました。


内容紹介:改善とイノベーション(午後)
アクティビティ4:ハムスターぬいぐるみリレー
■概要:競争を通じて、継続的な改善とイノベーションが可能であることを学ぶワーク
■内容:加者を8人×2グループに分け、決まったルールのもとぬいぐるみの受け渡しスピードを競いました。1回目終了後、勝ったグループはさらに速くしようと、負けたグループは逆転を目指してさらなるアイデア発想を行うことで改善を試みました。さらに2回目終了後、両チームはタイムの短縮に成功し、満足していたところ、「過去にはもっと速い記録がある」と聞かされ、両チームが発想を転換し、さらなるイノベーションを図りました。最終的に大幅なタイム短縮を実現し、限界だと思った後にも別の方法を探索するの余地があることを実感しました。

アクティビティ5:反転・増幅による発想法ワーク
■概要:常識を反転・増幅することで、斬新なアイデアを生む思考法を体得するワーク
■内容:「大学」をテーマに、「反転(逆にする)」「増幅(極端にする)」を軸に発想を展開しました。例として「時間内に提供できなければ無料にする」というファストフードの事例を参考に、大学教育や学習制度の常識を大胆に問い直すようなアイデアの創出を試みました。


アクティビティ6:未来新聞ワーク
■概要:斬新で面白いアイデアを「伝わる形」にする表現力を養うワーク
■内容:ワークショップ5(反転・増幅による発想法ワーク)で出たアイデアの中から面白いものを1つ選び、それを「未来の新聞記事」として個人でまとめました。見出し・記事構成・伝わりやすさを重視し、最後にグループ内で共有しました。発想力だけでなく、論理性・構成力・読者目線といった表現力の重要性を実感しました。


感想
本プログラムを通して、ブレインストーミングによる発想の初期段階では「質より量」「評価より肯定」を重視することで、創造性を引き出すことが可能になることを学びました。また、他者を意識した競争を通じて、既存の限界を超える改善とイノベーションが生まれる過程を体験しました。さらに、アイデアをただ出すだけでなく、相手に伝わる形で構築・表現することの大切さを実感し、研究・ビジネス・教育など多様な分野で応用可能な「創造と改善のサイクル」を一日かけて実践的に学ぶことができたと感じました。どのワークショップも非常に有意義で、また機会があればぜひ参加したいと思えるものでした。自分の成長を実感できる貴重な体験だったため、ぜひ他の人にも参加を勧めたいと思います。
追記
今回、私はオブザーバーとして参加させていただきました。グループ内の皆さんが、楽しそうにワークショップに参加することができていました。「ブレインストーミングの力を伸ばしたい」、「表現力を鍛えたい」など少しでも興味を持った人がいれば、普段の授業ではなかなか味わうことがないワークショップだと思いますので、是非参加してみてください!初心者の人にもかなりおすすめのワークショップです!
報告者
生命理工学院生命理工学系D1、ToTAL第6期生 村尾侑大