ToTAL科目「リーダーシップ・グループワーク基礎」対象のワークショップ「シナリオプランニング」が2025年7月19日, 20日の2日間にわたって開催されました。
ファシリテーター | 新井宏征(株式会社スタイリッシュ・アイデア 代表取締役) |
開催日時 | 2025年7月19日(土)、20日(日) 10:00–18:00 |
開催場所 | S4-202, 南4号館2階, 大岡山キャンパス |
【内容紹介】1日目:シナリオプランニング基礎
アクティビティ1:自己紹介
グループ内のメンバー同士で名前・専門分野・ワークショップで学びたい事を共有しました。初対面の参加者も多かった中、緊張がほぐれました。

アクティビティ2:シナリオプランニングの概要 講義
シナリオプランニングは、事実に基づきながらも創造性を発揮する未来洞察の手法であることを学びました。「確実」な要素と「不確実」な要素を区別し、特に不確実性の高い事象に注目する重要性について理解しました。また、「what if…?」を起点に、想定外の可能性に備える思考の枠組みを習得しました。そして、成果物を作る過程で、自分たちの「当たり前」が変化することも重要な点であることを理解しました。

アクティビティ3:自分にとっての不確実性を考える
個人ワークで、自身の周囲にある不確実な出来事とその影響を書き出した後、感想や考えたことについてグループ内で共有しました。異なる視点からの不確実性の捉え方を知ることができました。

アクティビティ4:シナリオプランニング 実践
「①テーマ検討 → ②ベースシナリオ作成 → ③複数シナリオ作成 → ④対応策検討」の流れで作業を進めていきました。
ベースシナリオ作成:AIを活用しながら「2035年の日本社会ではどのような技術活用が求められているか?」について、各自が考え、その後、グループ内で共有し、カテゴリー化などを行いました。
複数シナリオ作成:不確実な要因を抽出し、軸を複数設定しました。その組み合わせを試しながら多様なシナリオパターンを構築し、どの軸の組み合わせが良いかについて議論を行いました。
戦略オプション検討:対象・課題・成果・成果物の4点を考慮しながらシナリオを選び、戦略オプションを立てた後、グループ間で発表を行いました。

【内容紹介】2日目:シナリオプランニングの実戦
アクティビティ5:チェックイン
その日の調子・意気込みを100点満点で評価・共有しました。
アクティビティ6:株式会社ジーベックテクノロジー 住吉さんによる講義
住吉さんから自身の会社の「事業内容、運営体制、将来のビジョン」について説明がありました。シナリオプランニングが企業戦略にどのように活用されるかについて学ぶことができました。

アクティビティ7:シナリオ作成とバックキャスティング
住吉さんがご自身の会社でシナリオをもとに取り組みたい課題を共有してくださり、グループでシナリオテーマ・アジェンダを設定し、複数のサンプルシナリオを作成しました。対応策を検討するシナリオを1つ選び、そのシナリオでの理想の状態から逆算して中間地点での目指す状態を決め、そのために今から取り組むことを考えました。

アクティビティ8:最終プレゼン
全グループが10分間の発表と質疑応答を行い、住吉さんから直接フィードバックを受けました。

感想
今回の2日間のワークを通じて、「不確実性を前提に未来を描く」視点の重要性を実感し、不確実性の高い事象に注目することで、多様で斬新な戦略を生み出せることを体験しました。また、企業事例を踏まえたバックキャスティングは、自分の研究や将来のキャリア戦略にも応用できると感じました。グループワークでは、多様な人と議論することで自らの視野を広げることができました。今後もこの思考法を研究活動などに積極的に取り入れていきたいと考えております。興味のある方は、本ワークショップを受講することを強くお勧めします。
報告者
生命理工学院生命理工学系D1、ToTAL第6期生 村尾侑大