コラボレーション・パターンのカードデッキを使って、ふだん見えにくいつながりを見つけ出し、研究活動を振り返る


概要
研究活動は、しばしば「一人で進めるもの」と捉えられがちです。自分の関心を掘り下げ、データと向き合い、試行錯誤を繰り返す時間は、確かに内省的で孤独にも見えるかもしれません。しかし、そのプロセスの中には、実はさまざまな人々が関わっています。先行研究を通じて出会った研究者の知見、実験を支えてくれる教員や仲間、時には何気ない会話の中で生まれる着想。こうした見えにくい「協働」は、私たちの研究活動を静かに支えています。
このワークショップでは、そんな「協働の側面」に光を当てます。コラボレーションの型を言語化したカードツール「コラボレーション・パターン」のカードを使って、自分が周囲とどのような関わり方をしてきたのか、どのような関係性が研究に影響を与えてきたのかを振り返ります。そして、他者との関わりの中に浮かび上がる「自分らしさ」に気づき、これからの研究に活かせる視点を見つけていきます。
ワークショップを設計するのは、20年間にわたりプロジェクトの伴走支援を続けるなかで、多種多様な人々の間で協働を支援してきた、株式会社コパイロツトのメンバーです。同社で実績のある対話や関係性に関わる知見を研究プロジェクト向けにアレンジして活用します。昨年実施したワークショップに参加した学生の声を反映して、さらに内容をブラッシュアップしました。 普段、なかなか時間が取れない研究の進め方や研究環境の改善に役立つこの貴重な機会を、ぜひ活用してください!
📂 カテゴリー | イニシアティブ |
📌 キーワード | コラボレーション、コミュニケーション、リフレクション、パターン・ランゲージ |
🎯 目的 | ・コラボレーションのパターンカードを使用して、自分の研究と他者の関わりを振り返る ・自分が他者と協働するときに使っているパターンを知り、自己理解を深める ・一人で進めることの多い研究活動を、コラボレーション(協働)の側面から眺めてみることで、研究の広がりを知る |
🌐 言語 | 日本語・英語(対話は使用言語で分けて行います) |
👥 対象 | 大学院生・研究その他プロジェクトに関わっている学部生 特に研究を一人で進めている人 |
🗓 開催形式 | 対面3回、単回参加可能 |
✅ 開催実績・予定 | #1 2025年12月08日(月)18:00-20:00 #2 2025年12月15日(月)18:00-20:00 #3 2025年12月22日(月)18:00-20:00 2024年度後学期 開催済(プロジェクト・リフレクション) 2025年度前学期 関連WS開催済(コラボラティブな研究環境をつくるリーダーシップ) |
📍 会場 | S6-309A, 大岡山キャンパス |
🌟 こんな方におすすめ | ・自己理解を深めたい方、研究の進め方を振り返りたい方 ・研究者同士のコラボレーションを深め、新しい発見を促したい方 ・ラボや研究チームの文化を改善するヒントを得たい方 |
📊 ポイント数 | 各回 2 ポイント(※授業履修者に付与するポイントです。詳細はシラバスを参照してください。) |
🎟️ 定員 | 10名 |
主な内容
本ワークショップは、単回参加可能です。
ワークショップの中では、「コラボレーション・パターン」のカード10枚を使用し、自分の協働スタイルを見つめ直す対話と内省の時間をつくります。前半ではまず、自分の研究やプロジェクト活動について共有しながら、研究の中にある「見えない協働」に気づくためのレクチャーを行います。その後、3人組でカードを用いた対話を行い、「このパターン、あるかも」「使っているかも」「知らないけど興味ある」などの視点から、それぞれが選んだカードをきっかけに語り合います。
後半では、対話を踏まえて「自分が他者と関わるときに、どんな特性があるのか?」をまとめ、他の参加者からフィードバックをもらいながら、自己理解を深めていきます。最後に、今後の研究や活動の中で活かしたい関わり方や視点を共有し、ワークショップを締めくくります。研究活動の「個」と「関係性」の両方に目を向ける、新しい視座に出会える時間です。
▼各回のテーマ
第1回: ゆるやかなつながり
第2回: つながりの中にいる ”じぶん”
第3回: 未来にひらくつながり
ワークショップ設計:株式会社コパイロツト
株式会社コパイロツトは、プロジェクトマネジメントに特化した専門集団です。
多様な目的や背景をもつチームの協働を促進し、ゴールに向けて伴走する「副操縦士(コパイロット)」として、2005年に創業しました。デジタル領域や新規事業開発など、領域横断的なプロジェクトを支援し、成果を出しながら推進できるチーム・組織づくりを、メンバーと共に目指しています。
ファシリテーター

長谷部可奈
研究の成果は個人の努力だけではない、という本講座ですが、これは仕事においても同じです。企業の中で一人きりでできる仕事はほぼゼロ。いつでも周囲の誰かと協力し、それぞれの専門を活かしながら仕事を進めていくことになります。つまりこの講座で実践を通じて学ぼうとしているものは一生モノのスキル。どこに行っても役立つものになるはずです。自分自身の研究活動から学ぶ体験、ぜひしてみてください。

八木翔太郎
実践が人と社会を形作るという発想は、1人で抱え込みがちな研究活動においては盲点かもしれません。しかし実践は関係性の中でこそ強固になります。たかが関係性されど関係性。このワークショップも特殊な関係性の場として「ここでしか」という新たな対話と気付きと実践を得られる機会になるはずです。
連絡先教員
松崎由理(リーダーシップ教育院 特任准教授)
📩 matsuzaki.y.77a9 [at] m.isct.ac.jp