分かりあえない状況を避けるのではなく、NVC の考え方を手がかりに新たな視点からとらえ直します。研究室におけるすれ違いや、社会で技術をめぐって生じる対話の場面にも応用できる、新しい理解と協力の可能性を探ります。


概要
多様な価値観や対立する意見を持つ人達同士がどのように理解し合い、協働していくのか、その基盤になるのはコミュニケーションです。そのコミュニケーション力を磨く多様なスキルの中でも極めて実践的で効果がある方法として注目されているのがNVCです。これらの方法を身に付けておくことで、これからの研究生活、友人関係、仕事における物事の進め方に自信を持てるようになるはずです。今回はNVCのスペシャリスト二人を招いて二日間の集中ワークショップを開催します。
NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)とは
1970年代に、アメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系化され、提唱された、自分の内と外に平和をつくるプロセスです。家族や友人から、職場、組織、国際関係まであらゆる人間関係を、支配、対立、緊張、依存の関係から、自由で思いやりにあふれた、お互いを豊かにし合う関係へと変えることを可能にする考え方、話し方という「方法」であると同時に、私たちに「なんのために、どう生きるか」を問う、根源的な「意識」でもあります。
📂 カテゴリー | イニシアティブ |
📌 キーワード | コミュニケーション、共感、言語化、合意形成 |
🎯 目的 | 構造化された演習を通して、他人の見方を想像する一つの方法を学び、自らの日常、学習、研究などの場所で活用できるようになること |
🌐 言語 | 英語・日本語 |
👥 対象 | 大学院生・学部生 |
🗓 開催形式 | 対面連続セッション(3時間 x 2回) |
✅ 開催実績・予定 | #1 2026年1月9日(金)17:00-20:00 #2 2026年1月16日(金)17:00-20:00 |
📍 会場 | S6-309A, 大岡山キャンパス |
🌟 こんな方におすすめ | 他人と異なる意見を表明するのが苦手な人 よいチームメンバーがみつからない人 プロジェクトなどのグループのコミュニケーションに課題を感じている人 |
📊 ポイント数 | 6 ポイント(※授業履修者に付与するポイントです。詳細はシラバスを参照してください。) |
🎟️ 定員 | 12 名 |
主な内容
- 共感的プレゼンスとセルフ・リーダーシップ (”共感”の誤解を超えて / 全体性を生きる)
- コンフリクト・マネジメント (対立・葛藤からコラボレーションへ)
- エンパワメント・リスニング(共感からの対話・コーチング)
- 互いを高めあうフィードバック(ポジティブもネガティブも本音で伝え、受けとる)
- 実施力を高める共感的合意形成
- 個と組織の力を高めるしくみづくり
ファシリテーター

今井麻希子
認定NVCトレーナー
コンサルタント/コーチ/ファシリテーター/執筆家
システムコーチング認定コーチ(ORSCC)
Love Smart Cards マスター・ファシリテーター
民間企業で人事やコンサルティングなどに従事したのち独立。サスティナビリティやソーシャルをテーマとした執筆・編集活動に従事。NVCと出逢い、企業や教育機関のリーダー層を対象に、NVCを軸とした学びの場や修復的対話の場を提供する。
『「わかりあえない」を越える – 目の前のつながりから共に未来をつくるコミュニケーション・NVC』(海士の風)共訳。『全人的医療を支える共感的コミュニケーション・NVC』(NVC大学出版)監訳。

長田誠司
リストラティヴ・サークルズ ジャパン 代表
紛争解決ファシリテーター
グラフィック・ハーベスター
東京工業大学大学院博士課程在学中に休学し、ニューヨークで古典絵画技法を学ぶ。帰国後に中退し、フリーランスのエンジニアとして、ソフトウェア開発、システム構築、ロボット開発などさまざまな困難案件のプロジェクトを手がける。
多種多様なトレーナーや先達にNVC(非暴力コミュニケーション)を学び、自身の人生上の対立や困難に適用するなかで、人間の感情や行動や影響力に対する理解を体験的に深める。
過去の開催実績
参加者の声
- It was really interesting to understand how specific words and being really specific can affect how the other person can understand you.
- The workshop was engaging and provided practical tools for improving communication in both personal and professional settings. The facilitators were knowledgeable and created a supportive environment that encouraged active participation and learning. I left the workshop with a deeper understanding of empathetic listening and effective communication strategies.
- どのように自分のNeedsを伝えたら良いかは難しいが、このワークショップを通じて、その一つの方法を学ぶことができて良かった。
- I learned a lot from this workshop, and the most important thing I learned was that we tend to think other people know or notice what we want without saying precisely what we want, creating misunderstandings and an ominous atmosphere. We should listen to others, ask questions, and check our understanding to see if we got the idea correct; then, we can talk more deeply, find out what the problem is, and find a solution.
連絡先教員
松崎由理(リーダーシップ教育院 特任准教授)
📩 matsuzaki.y.77a9 [at] m.isct.ac.jp