ToTALプログラムレポート/ToTAL Program Reports

リーダーシップ、フォロワーシップ、合意形成/リーダーシップ・グループワーク基礎「1-day IdeaThon Workshop」を16/Febに開催しました。

“1-day IdeaThon Workshop for coming LLP 2019”, as a part of “Fundamental Group Work”, was held on 16/Feb

科目分類: リーダーシップ、フォロワーシップ、合意形成/Leadership, Followership and Consensus Building(LFCB)

  • 科目名: TAL.W.501 リーダーシップ・グループワーク基礎/Fundamental Group Work for Leadership
  • プログラム名:I-day IdeaThon Workshop for coming LLP 2019
  • 開催日時: 16/Feb(Sat) 10:00-18:00

16/Feb(Sat)に東工大大岡山キャンパスにて,「1-day IdeaThon workshop」がLearning Entrepreneurship Lab.(LEL)の堤孝志さん・飯野将人のファシリテーションで開催されました.

事業アイデアは、研究している技術の応用、使っている製品・サービスの改良、こんなのがあったら喜ばれるなど、色々な形態で出てくると思いますが、今回のアイデアソンでは、「ニーズ」を元に製品(サービス)設計してみる、というアプローチで、ニーズから製品(サービス)アイデア創出の基本的な考え方を、デザイン思考のプロセスを参考に、実践してみました。今回のワークショップには、AGL所属生が4名、ToTAL登録生が6名、OPEN参加が8名の18名に加え、島根県浜田商業高校の先生方4名が、参加されました。

ニーズの源泉は、身の回りの不満、不便、不安、困り事、悩み、非効率、などの「課題」から得られるケースがよくあります。もちろん、少子高齢、地方活性化、人口減少、地球温暖化などの、社会課題と言われることから発生する場合もあるとはおもいますが、地方、社会、地球など、言葉が曖昧で、対象も大きすぎて、なかなか個別の事業にまで落とし込むのが難しいので、ここでは、対象にしません。

事前課題として、身の回りの不満、不便、不安、困り事、悩み、非効率、などの「不」という「課題」10個を、ワークショップ前に各自で考えました。その10個の課題の中では、「ソーシャルメディア体験」の「不」、「ショピング体験」の「不」、「協働作業体験(グループワークや電話会議など)」の「不」、「趣味」の「不」、「移動」の「不」、「おもてなし」の「不」の7項目を、その10個に入れることが指定されていました。

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ワークショップは、4人で1チームを形成し、他のチームのメンバーのそれぞれの「課題(合計40個)」を聴取検討し、その中から1つ選定し、その解決策を検討します。各チームが選定した、課題は下記でした。

Team 1 岡崎(ToTAL)、佐野(ToTAL)、鴨居(AGL)、江頭(AGL)

   「何かしてもらってお礼状を書こうと思っても忘れて、あとで巨大な罪悪感に襲われる。」

Team 2: 小坂(ToTAL)、木田(OPEN)、松崎(ToTAL特任准教授)

   「祖母が新宿駅で乗り換えをしようとした際、エスカレーターがほとんどなくて遠回りをしなければいけなかった」

Team 3: 岡( OPEN)、清原(OPEN)、鬼頭(OPEN)、三浦(OPEN)

   「人と接する時の口臭がきになる」

Team 4: 島根県浜田商業地チーム

   「学生でも名刺を持つべきだったと後悔したことがある。」

Team 5 Marcos(ToTAL)、落合(OPEN)、三好(ToTAL)、山本(AGL)

   「せっかく飲み会とか企画してあげたのに、誰も感謝の言葉くれないときは悲しくなる」

Team 6 Kotchakorn(ToTAL)、曾川(OPEN)、陳(AGL)、氏家(OPEN)

   「色弱なので、学会などで「グラフ中の○○色の線が、と言われても見分けられないことがある。」

上記「不」の課題から、課題の背景にあるinsightを、引き出す、または、想像し、課題設定を行うループ、その課題に対する解決案を出し、プロトタイプ(利用シーン)を顧客に見せてフィードバックを得て、解決策の改良または課題そのものを設定しなおす、などのループを繰り返すことで、アイデアをブラッシュアップしていきます。

その結果として、各チームの解決案は下記となり、各チームより最終発表として、その解決策の説明を、紙細工のようなプロトタイプ、その製品・サービスを使用するシーンを寸劇で見せる、または、例えばアプリであれば、スケッチや動画で見せる、等を行いました。

Team 1: 質問される項目に答えていくと自動で礼状を作って発送(相手に直接送ることも、一旦自分に送って内容の確認をすることも可能でどちらか選べる)してくれるサービス(Alkinatorのイメージ)

Team 2: 音声で行き先まで自動で運んでくれる車椅子

Team 3: 口臭レベルを色で知らせてくれるスティック型口臭チェッカー

Team 4: 起業家をサポートしたいVCとサポートをしてほしい起業家を結びつけるアプリと、meet up会場での色分けリング

Team 5: お互いに感謝の手紙を送り合えるウェブサイ。このウェブサイトでは、過去のイベントと感謝の手紙の記録を見返すことができます。

Team 6: Power Pointなどの発表資料を色弱者に見やすいように色変換し提示してくれるディスプレイを会場シートの背中に設置

これら解決案は、これで本当にニーズある人の解決策になっているか、なってはいても、それが製品・サービスとして、顧客に受け入れられるか(対価を払って購入するか)、アイデアはいいが技術的に可能なのか、など検証すべきことはまだまだありますが、まずはきっかけとしてはいいアイデアが出たのではないかと思います。

本IdeaThonは、来期2019年度1Q2Qに開催予定のLean Launchpad (LLP) 参加に向けての、事業アイデア出しの一環として行いました。LLP 2019への参加のためには、Application Formの提出(3月4日(月):締め切り)、事業アイデアのピッチ(3月7日(木)18:00-20:00@S422)に参加いただく必要があります。詳細は、下記ご参照ください。

https://www.total.titech.ac.jp/news/2019/02/totalopenlean-launchpad-llp-2019.html

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(山田 圭介 リーダーシップ教育院(ToTAL)特任教授)