2025年7月11日、「プロフェッショナルと価値創造 A」第5回を、ゲストスピーカーとして、原口陽菜氏((株)アクセンチュア)および長山慎太郎氏((株)リクルートマネジメントソリューションズ)をお招きし、開催しました。エネルギー・情報コース D1 清水雅哉さんが報告します。
該当するアントレプレナーシップ科目 | TAL.S502/TAL.S507 プロフェッショナルと価値創造 A/C |
ゲストスピーカー | 株株式会社アクセンチュア 原口陽菜 株式会社リクルート・マネジメント・ソリューションズ 長山慎太郎 |
開催日時 | 2025年7月10日(金)18:00-20:00 |
開催場所 | S4-201、南4号館2階、大岡山キャンパス |
内容紹介
概要
アントレプレナーシップ科目(ToTAL科目)である「プロフェッショナルと価値創造 A」第5回を、対面形式で開催しました。今回は、ゲストスピーカとして、株式会社アクセンチュアでITコンサルタントとして活躍する原口陽菜氏と、副業をしながら株式会社リクルート・マネジメント・ソリューションズに勤務する長山慎太郎氏の両氏をお招きし、就職活動の迷いや葛藤、実社会での気づき、さらには副業や価値創造への挑戦まで、自らの実体験をもとに語っていただきました。


原口陽菜氏
長山慎太郎氏
内容
原口さん:研究者からITコンサルタントへ—“型にはまらない働き方”を求めて
原口氏は、九州大学から東京工業大学大学院(現・東京科学大学大学院)へ進学し、DDS(Drug Delivery System)の研究に取り組みました。卒業後は積水メディカルにて技術営業を担当しましたが、「内勤中心で物足りなさを感じた」と振り返ります。その後、ITコンサルティング業界に転身し、現在はアクセンチュアにてSAP(基幹業務システム)の導入支援に携わっています。業務改善の提案や調整を通じて、企業の課題解決に挑戦する日々だそうです。
「技術とビジネスの両面が求められます。お客様の業務に詳しくないからこそ、日々が成長の連続です。」
現場では、業界知識のアップデート、論理的思考力、そしてスピード感ある対応力が求められるといいます。「最初の1年は何もできずに悩んだ」と話しつつも、「行動して壁にぶつかりながら学ぶ姿勢」が自分の成長を支えていると語ってくれました。
長山さん:価値観の転換から生まれた“副業型キャリア”
ニュージーランド人と日本人の両親を持つ栃木出身の長山氏は、株式会社リクルートで人材・教育分野におけるIT活用に携わっています。思春期には、「外見で判断されることが嫌で、“普通”になりたい」と悩んでいたそうですが、留学を通じて自分の内面が評価される経験を積み、自身を受け入れられるようになったといいます。
「外見ではなく内面で評価されたい。そんな思いが、自分らしく働く原動力になっています。」
本業に加えて、“副業”にも力を入れており、家業であるタトゥー隠し用の“body concealer”の開発販売支援や、”からあげ”の海外進出など多様なプロジェクトにも取り組んでいます。
「フルフレックス制度を活かして、平日は本業、週末は副業。“やってみたい気持ち”を大切にしています。」
こうした柔軟な働き方を可能にしているのが、リクルートの「自己管理重視」の社風です。社員発の新規サービスが日常的に生まれており、ITエンジニアと協力してプロジェクトを立ち上げる文化が根づいているとのことです。
参加学生の気づきと問いかけ
(1) イベントの終盤には、「副業って現実的に可能なのか?」「社会人になってもやりたいことを続けられるのか?」といった率直な質問が学生から寄せられました。
(2) それに対し登壇者は、「企業で専門性を高めたうえで独立を目指す道もある」「副業は収入目的だけでなく、新たな視点や価値観を得る手段でもある」と回答し、キャリア形成における多様な選択肢の存在を示してくれました。


最後に:「心に従って、まずやってみる」
講義の最後、両氏から学生へ送られたメッセージは共通していました。
“Follow your heart.”
たとえ今はわからないことだらけでも、迷いながら“好き”や“違和感”に正直に行動すること。それがキャリアの出発点になります。
そして、大学卒業後の人生の方がずっと長いからこそ、途中で進路を変えるチャンスは何度でもある。「やってみないとわからない」——そんなリアルな言葉が、参加者一人ひとりの将来の選択に確かなヒントを与えてくれました。
報告者
エネルギー・情報コース D1 清水雅哉