今期のToTAL科目「社会課題の認知ワークショップ A/C」および「(修士/博士)リーダーシップ・グループワーク特論(S)」対象のワークショップ「合意形成のためのネゴシエーションプロセス」を2022年7月9日及び23日に行いました。

・科目分類: 社会課題の認知
・科目名: 社会課題の認知ワークショップ A/C,(修士/博士)リーダーシップ・グループワーク特論(S)
・プログラム名: 合意形成のためのネゴシエーションプロセス
・ファシリテーター: 渡邊真由 立教大学法学部国際ビジネス法学科特任准教授
・開催日時: 第一回 2022年7月9日(土) 13:30 – 18:30
第二回 2022年7月23日(土) 13:30 – 18:30
・場所: 東京工業大学大岡山キャンパス 南4号館 S421/S422/S423 & On-line

  • 概要
    このワークショップでは,実際に交渉をロールプレイとして行い,交渉における理論を学ぶことができます.様々な交渉のシチュエーションの体験とフィードバックを繰り返し行い,交渉に関する基本的な理論を網羅的に学ぶことができ,交渉スキルを身に付けます.さらに,交渉をリアルに体感できるので,交渉時のコミュニケーション力を育みます.

  • 内容詳細

∼∼ 第一回 ∼∼

  1. 交渉の基本的な理論
    交渉は,Win-Winな関係で終わることが重要であり,お互いの心理的なものにより,大きく異なる結果となることを考慮する必要があります.よって,心理操作を起こさせないようにするために,交渉時における心理学を学びました.そして,これは実際に交渉を行った中で特に学んだことですが,交渉する前は十分な下準備が必要です.これらを考慮して実際に交渉のロールプレイを行いました.
  2. 中古車の値段交渉
    一つ目の交渉は,生活をしていく中でよく目にする交渉です.中古車を売りたい側とその車を買いたい側に分かれて,その中古車の値段を決める交渉です.売りたい側,買いたい側,双方の意見をもとに,コミュニケーションを取りながら値段を決めました.

∼∼ 第二回 ∼∼

  1. オペラ歌手の出演料交渉
    二つ目の交渉は,統合型交渉と言われる交渉で,出演料を決めるだけでなく,お互いが持つ課題に対してどのように解決していくか考えました.オペラ歌手の出演料交渉を行う代理人は,今回のオペラを成功させて再びオペラの第一線に返り咲きたいという思いがあります.一方,オペラ舞台の監督は,病欠により主役を降板しないといけなくなったので,その代役を見つける必要があります.つまり,オペラ舞台の監督は,残り少ない日数で,舞台を成功させなくてはいけません.このように,お互いの問題を解決するために,出演料の交渉だけでなく,お互いの願望をかなえられる方法をクリエイティブに考えました.
  2. 障がい者施設の設置交渉
    最後は,メディエーションを行いました.メディエーションとは,訴える側,訴えられる側の間に仲介役として公正な第三者を置いて交渉を行うことを言います.第三者が間に入ることで,一対一の交渉に比べて冷静に交渉を行うことができます.今回の交渉では,精神的に問題のある障がい者が利用する施設を設置したい側とそれに反対する地域住民とで話し合います.そこに,公正な立場の第三者を置くことで,交渉を円滑に進めてもらいながら,設置する側と地域住民とでお互いが納得する解決方法を考えます.このような問題は,よく目にすると思いますが,その解決策を見つけられるかもしれませんね.

  • 感想
    このワークショップに参加する前, 交渉についてマイナスなイメージを持っていた.交渉は,勝ち負けのあるもので,自分の利益を最大限にするものと考えていました.しかし,渡辺先生の「交渉は,Win-Winの関係で終わらせることが大切である.」という言葉で,交渉に対するイメージが変わりました.さらに,実際に交渉を体験することができるので,交渉の難しさとともに面白さも学ぶことができました.交渉は,お金の値段を決めるだけではなく,お互いが持つ課題を双方が協力してどのように解決していくか考えることが重要であることを身をもって体感することができました.

追記:今回私はOPEN生として参加させていただきましたが,疎外感などはなくOPEN生でも楽しく参加することができました.また,東工大ではなかなか味わうことがないワークショップだと思いますので,参加するのに迷っている方は,是非参加してみてください!おすすめです★

(文責:野間央 物質理工学院応用化学系応用化学コース D2 OPEN生)