今期のToTAL科目「リーダーシップ・フォロワーシップ実践I/II(F)」の内容となるProgramming Boot Camp/Developing Phase第2回を2020年12月11-13日の3日間、行いました。

・科目名/Course:TAL.W602-02リーダーシップ・グループワーク実践I/II(F)
・プログラム名/Program: Programming Boot Camp/Developing Phase #2
・開催日/Date: Dec. 11-13th, 2020
・ファシリテーター/Facilitators: 上野潤一郎, 金翔海, 今橋陵, 京極直丈, 佐々木将之(株)ギルドワークス

■概要(担当:今泉):
2020年12月11-13日にかけて、セミナーハウス クロス・ウェーブ府中(東京都府中市)にてProgramming Boot Campの最終合宿が開催されました。当初コロナウイルスによって合宿の開催が危ぶまれましたが、山田先生やギルドワークスの方々の「現場でコミュニケーションをしながらサポートしたい」という思いから、徹底した感染症対策をし、無事三日間の合宿を終えることができました。本合宿は同年10月にスタートした本プログラムの締めである「チームごとに考えてきたwebアプリケーションをプログラミングによって形にする」というパートになっており、これまでにLearning Phase で学んできたプログラミングスキルをチームのアプリケーションに生かす場となっています。
合宿には、20名の学生(現地参加19名、オンライン参加1名)、計7チームが参加しました。学生のバックグラウンドはプログラミングが得意な人、不得意な人と様々でしたがギルドワークスの上野さん、佐々木さん、金さん、越さん、今橋さん、原さん、京極さんの7名の方がそれぞれに合った丁寧なサポートをしてくれていました。

■合宿内容(担当:古林)
合宿では参加メンバーが数人ずつのチームとなり、それぞれのチームが事前に考えてきたwebサービスを3日間で集中して形にしてゆきます。今までは言葉や想像でしかなかったそれらが、自分たちの手の中で実際に動くものになってゆく過程を、味わうことになりました。参加メンバーには、プログラムを今までほとんど書いたことのない人、webサービスではないけれど日常的にプログラムを書いている人、デザインが上手な人など、個人のレベルに差がありましたが、各自が自分のレベルに合わせて目標と役割を持ち、合宿での成長を目指しました。


合宿の初めに、それぞれのチームで改めて自分たちが開発したいwebサービスの最も大事な部分、魅力となる機能、3日という限られた時間の中で取り組むべきポイントを定めました。やるべきことを決めた後は、ひたすら開発に取り組みます。
合宿の途中に数度、メンバー全員が手を止め、自分たちの現状を発表し合う、中間報告の時間が設けられ、他のチームの良いところを知り、また、自分のチームの優れた点を把握することができました。この報告会を参考にすることで、自分のチームが今どのくらいの位置にいるのかを認識して、開発のスケジュールを見直します。想定よりも遅れていたらより大切にしたい機能に集中し、余裕があればさらなる目標に挑みました。

最終日の昼過ぎに、他のチームのプロダクトを実際に触って動かす「おさわり会」があり、そこでそれぞれのチームが貴重なフィードバックを得ました。そこから少々の手直しを行い、合宿の最後に全体に向けて作り上げたwebサービスの最終発表が行われました。
技術的に難しい箇所は専門家であるギルドワークスのメンバーに質問をして各人の理解を深めながら、自らの目指す動作を形作っていきました。

チームを組んで開発を行う中で、チームメンバーのコミュニケーションが盛んに行われ、互いに助け合い、尊重し合い、任せ合いながら作業を進めてゆきました。どのチームも上手くそれぞれの役割を設定しながら、一つのサービスを組み立てました。

合宿という環境により、メンバーは昼夜問わずパソコンに映るコードとにらみ合うことができました。コロナ禍という状況もあり、チームごとに広いスペースで離れて作業しなければなりませんでしたが、それでもホワイトボードやプロジェクターなどを用いて効果的にコミュニケーションをとりました。オンラインでの合宿参加であっても、メンバー同士で協力し合う場面もありました。時間を忘れて開発を行い、また、3日目の最後の時間まで自分たちの作品をより良い物にすべく努力をしました。

■合宿成果
合宿に参加した全チームを、以下に簡単に紹介します。どのチームも、自分達のアイデアを見事に形にしていました。
また、最終日には、各チームが、それぞれ開発したweb applicationを発表しました。参加学生全員の互選により、clubhubチームのweb applicationが、その出来栄えを認められ、最優秀チームとして選抜されました。

1. Monju : 下山達大, 桐原佑司, 黄依霖
学生同士が課題について相談や報告をし、また教授に質問できる掲示板サービス

2. clubhub : Disha Chandrashekar, Deshmukh Sameer Satish, Nguyen Anh Hoang Ngoc
部活動のイベント企画・参加を一括で管理するサービス

3. discovery : 星野真美, 山下大貴, Le Viet Lan Huong
日本の伝統産業、老舗が地域別、産業別で一覧に提示するWeb サービス

4. 十人十色の赤ずきん : 古林捷, 長谷川貴弘
童話制作のためのアイデア出し・文章作成を支援するサービス

5. おさがり予報 : 鹿島理佳子, 加藤日向, 篠田泰成, 馬煜茗
美大・芸大・専門学校に通うものづくりに励む学生が作品制作後に捨ててしまう素材を学内で「おさがり」できるサービス

6. DicVoc : 池田瑶葵, 今泉孝規
英単語のオリジナルの単語帳を作っていくwebサービス

7. てつだいラボ : 三宅勇太朗, Ong Yuh Chian, 丸山拓幸
大学・研究機関等の研究室に特化した研究アルバイトのWebマッチングサービス

■感想(担当:長谷川)
(1) 私は「十人十色の赤ずきん」チームに所属し、3日間の合宿に参加しました。チームメイトの発案してくれたアイデアがとても良いと思い、”絶対に形にしたい!”という思いで、参加しました。最終的に、完成形ではないけれど、少なくともサービスのコアの部分は体験してもらえる状態まで到達したことを素直に嬉しく思っています。コロナ禍にありながら、泊まり込みで開発をさせてもらったおかげで、1人あるいは1チームだけでは得難かったと思われる経験ができて本当によかったです。

(2) 今回の合宿には、短期間ならでは、さらには対面ならではの「緊張感」が働いたと思っています。3日間という短い期間、普段は馴染みのないWebサービスのためのプログラミング作業。それでも、朝早くから翌朝早くまで(笑)、最大限できることを尽くして自分たちのサービスを目指す物に近づけたい。どのチームにも同じ緊張感があったように感じました。そして、その一体感によって、幾度となく我々の前に立ちはだかったプログラムのエラーにも負けない気力がもたらされました。

(3) 私のチームは2日目終了間際になってようやくギルドワークスの方に本格的に頼り始めました。その時のギルドの方の対応力には正直感動を覚えました。特に勉強になったのが、助けるポイントの見極め、時間的制約による緊張感の共有、この2つの速さと精度の高さ。”自分には圧倒的に欠けている!”と思いました。”チームで開発する”ということが、単なる分担作業でないことをようやく理解した瞬間でした。

(4) 今回開発したサービスを今後も発展させていきたいと考えています。今回の合宿での学びと反省は、今後の開発と自分の研究・キャリアに活かしたいです。改めて、貴重な機会をくださった関係者各位、緊張感を共有して下さった(と私は思っております)皆様、ありがとうございました!

(文責:今泉孝規, 物質理工学院/応用化学系/応用化学コース, M2, ToTAL 2期生 / 古林捷,生命理工学院/生命理工学系/ライフエンジニアリングコース,M2,ToTAL 2期生 / 長谷川貴弘,生命理工学院/生命理工学系/ライフエンジニアリングコース,M2,ToTAL 2期生)